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選ばれるイルミネーションにするための3つの手法

更新日:2023年4月20日


前回の記事では、現在の(特に大規模、長期型)イルミネーションが抱える課題について



開催施設が増える中、他施設との差別化をするために毎年新しい目玉コンテンツあるいは新商品の導入をして、それらの部材は次年度も装飾として使う

これを繰り返すことで規模はもちろん大きくなりますが、あえてテーマを設定しようとすると「ファンタジー」としか括れない状況となり、投入した部材の種類こそ違えど、実は周辺他施設においても似たような現象が起こっているので、結果として似てしまう

差別化のための新商品投入が、結果として均質化を起こしているのではないか



という考察を行いました

私たちのような"業者"が見れば明らかに違うのですが、お客様から見ると


「(数も種類も)たくさん光ってる!」


というほとんど同じものという認識になると思います


今回は「この状況をどう打破すればいいのか」について、私の経験を思い出しながら考えてみます


選ばれるイルミネーションに変える手段


①商圏で圧倒的に最大級の規模を目指す

コストをデザインや制御などのソフトに振らず、あえてハードに全振りして、展開規模と圧倒的な物量、そして密度で他を圧倒する方法です

"最大"もしくは、少なくとも"最大級"であれば選択肢の1つに入る可能性は高くなります

ただし

・展開できる敷地があること

・長期的にイルミネーションに投資する十分な資本があること

が前提条件となります

ここであえて、長期的に、と書いたのには理由があります

仮にリニューアル初年度に数千万規模で機材の追加をした場合、その約4年後には経年劣化による機材の入れ替えコストが必ず発生します

また、ハードに全振りしたとしても確実に追加でかかってくるのは設置撤去費用なのでリニューアル後は工事費が正直びっくりするほど爆上がりします

規模の手法でテコ入れをする場合、キーファクターとなるのは「いかに集客数を減らさないか」(増えた投資に対しての回収がリニューアル以前を上回り、少なくとも4年は継続する)という戦いになります



②質の向上(ターゲティングとコンセプトの整理)

①に比べると少し地味な方法に感じますが、要は現状の課題である「バラバラ」を「スッキリ」に変えようという手法です

「バラバラ」というのは前回の記事で「実家感」と表現したように、絶対的に悪いというわけではないが、選ばれることを目的とする上で良くはない状況だというのはおわかり頂けると思います


なぜバラバラになるのか、なったのかについてはすでにお話をしている通りですが、ハードの拡充に至る問題ともう一つ、ターゲティングの曖昧さ、という問題があるのではないかと考えています


イルミネーションにおけるターゲットの代表的な例として

・ファミリー層

・カップル

が挙げられますが、イルミネーションの企画においては実際おざなりになってしまうということがよく起こると感じています

これは


たくさんの量が光ってさえいれば人は来る


という2014年付近の真実のまま、今に至っているからではないか

そして、現在疑わしくなってきたからこそ課題を感じていらっしゃることと思います


であれば、

たくさんの量が光っていれば来てくれる層

はさておき、絶対に来て見て頂きたい人は誰か、を今一度整理し、コンセプトを立案することで全体のデザインを「スッキリ」させるということは集客面で有効な手段だと言えます

もっとも簡単な方法は「使用するカラーの制限」です


カラーが多ければ多いほどにぎやかで華やかになると思われがちですが、実際マルチカラーで素敵だと感じるイルミネーションには一定のルールがあります

例:よみうりランド ジュエルミネーション・・・基本的に透明感のある中間色で構成されていて、こんぺいとうのような軽やかでかわいい印象がアイデンティティ


逆に少なく制限するとものすごく特徴的になります

例:渋谷 青の洞窟・・・一面真っ青な装飾で圧倒的な都会感を演出

例:江ノ島 イルミネーション・・・紫とゴールドで誰が見ても江ノ島だとわかるコアイメージ


・絶対に来て見て頂きたい層を想定しコンセプトを立案する

・好ましいデザインコントロールを行う(使う在庫、使わない在庫に分ける)


この2点で劇的に進化する可能性も十分にあると思います



③風物詩からエンタメへの進化

3番目は、従来のイルミネーションらしさよりも、テーマや世界観を重視したナイトエンタメとして進化させる方法です


まず、従来のイルミネーションらしさとは何か

簡単に言うと、風物詩、つまり冬感!クリスマス感!ではないかと思っています

(詳しくはまたいつの日か別の記事でじっくり考察します)

だからこそ12月に集客ピークがあり、点灯式の様子は「冬の訪れ」というテロップやコーナーで紹介されている

一方、長期開催をするのであれば当然12月以外も来て欲しい

ここに作り手とお客様の間で微妙なギャップが生まれていると感じています


実際イルミネーションでもっとも人気のフォトスポットはクリスマスツリー前ですが

「クリスマス前後の展開もあるので、できたら置きたくないです...」

というご要望は何度も伺いました


(10年前、ピークだった時代にはトレンド感という価値があり「お花見イルミ」「夏イルミ」など他季節への展開も多く見られましたが、構成としては同じなのでトレンド消費が終わるとほとんど淘汰されていきました)


それなら12月しか開催できないじゃないか!


個人的にはある意味そうだし、そうじゃない方法もあると思っていて、その1つの答えとして"テーマ先行型ナイトエンタメコンテンツ"をご提案したいという状況です


そうだ、と思う理由は、現状のいわゆるイルミネーションのままの場合には、前述のとおり、イルミネーション=クリスマスという認識があるので

イルミネーションをイルミネーションたらしめている、無数のストリングスライトがあること、そして(物理的にも精神的にも)ほとんどずっと明るいことを前提とするのであればクリスマスにお客様が集中するという状況は変わらないと思っています


折衷案として、タイアップの形をとると若干話は変わって来ると思っていて、これはイルミネーションでありながら"テーマ先行型ナイトエンタメコンテンツ"とも言える

つまり、タイアップ先のコンテンツの持つファンに対してイルミネーションの魅力(賑やかさ、夜間外出への許容)によって誘客確率を上げる+イルミネーションに行くかどうか迷いのある層に対してタイアップ先のコンテンツの魅力によって誘客するという両軸がうまく回ることで、12月以外の集客にも成功している例だと考えます

ただし、強力なタイアップを行うにはコンテンツ利用料として多額のコストが必要になるため、資金力のある施設以外は非常にハードルが高いです


"テーマ先行型ナイトエンタメコンテンツ"は、先ほどのイルミネーションたらしめる前提条件をあえて外した上で季節を問わないテーマを設定する、または別季節に特化した装飾を展開する、という手法です

夜間に光が灯った非日常空間を歩く

というイルミネーションの特徴にフォーカスして、豪華さ以外の価値提供をすることで

イルミネーションに飽きた層へのアプローチ、話題化、圧倒的差別化を狙うことができます


イメージとしてはチームラボさんの展開する屋外型のアートやMoment FactoryさんのLuminaシリーズが近いですが、使用部材においてもっとイルミネーションの原型を残した形でも実施は可能ではないか?と模索しているところです


その1つの案が「ハロウィンナイトウォーク」です

見た目上イルミネーションとは全く違うイベントでありながら、使用部材は同じなので、うまくクリスマスへの転換ができれば、長期間の中で"テーマ先行型"と"従来型"を両立することができます

※詳しくは弊社HPよりご覧ください

https://www.ripplite.com/services-4


いずれにせよ情報にリーチするお客様に対していかに普通のイルミネーションだと感じさせないか、新しく魅力的だと思っていただけるか、がキーファクターになります



非常に長くなりましたが選ばれる、ということはもっと好きになってもらえる、もっと喜んでもらえるイルミネーションにすることだと思っています

重要なのはプランニングをする側が、完成物となるイルミネーションが

装飾:冬の訪れを知らせる風物詩としておもてなしをする、場を際立たせるための付加物

なのかあるいは

エンタメ:わざわざ訪れて入場料を払う価値のある、メインとなるコンテンツ

なのかを明確に意識して計画するということだと思っていて


それがエンタメである場合、まずは明確なコンセプト、またはテーマを持った展開に是正し均質化から脱すること、そしてネクストステージとしてのストーリーを持ったウォークスルーになるのではないか...というのがリプライトの結論です

(ストーリーの話はまたいつか)


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