限られた予算でイルミネーションを正しくアップデートする方法
- ripplite
- 7月15日
- 読了時間: 4分
更新日:7月17日
「毎年予算が厳しい中で、少しずつ買い足してはいるけど、あまり変わった感じがしない」「全部新しくはできないから、やれる範囲でなんとかアップデートしたい」──そんな声を、イルミネーション施設の現場ではよく耳にします。
予算が限られていても、「正しい選択」と「優先順位の見極め」で、印象は大きく変えられます。この記事では、無理なく“効果を出す”ためのアップデート方法をご紹介します。

「買い足し=改良」にはならないという事実
まず、よくあるアップデート施策として
「去年との違いをだすために、今まで置いていないものを買い足す」
という手法があります。
しかし、この手法は実は以下の事象を引き起こします。
色味やサイズ感がバラバラになり、全体の統一感が損なわれる
新旧が混在することで「去年と同じような印象」に見えてしまう
他のイルミネーションとの違いがわからなくなる。
ここで、実家のインテリアを想像してみてください。
当初は西海岸風、あるいは欧風のリビングにしようと、こだわりのソファや机を購入していたのに、時が経つにつれて、どこかで買ったお土産や、セール品のラグやカーテンを買い足すことで着実に「どこかで見たことのある実家感」に近づいてしまっている、、そんな経験はありませんか?
大規模イルミネーションでも同じように、エリアごとの違いや昨年との違いを出さなければいけないと焦った結果、今までとテイストの異なるオブジェを購入し、もったいないので使わないわけにもいかず、 ”どこかで見たイルミネーション” になってしまうという現象が起こりがちです。
無計画な買い足しを続けるほど、固有であったはずの特徴がぼやけるリスクもあるということを、まずは知っておく必要があります。
限られた予算で効果を出すための3つのステップ
新旧が混在し方向性が迷子になったイルミネーションを、どうすれば素敵にアップデートできるか。
最もプリミティブで確実な方法は、「全取っ替え」ですが、実はそこまでやる必要はありません。限られた予算の中で、改良に向かうための3つのステップをご紹介します。
① 今あるリソースを把握する──現実的な判断の起点
まず必要なのは、自分たちが使えるリソースを正しく把握することです。ここでいうリソースとは、単なる予算だけでなく、
時間的猶予(設計・発注・施工にかけられる準備期間)
金銭的予算(全体と演出に使える費用の内訳)
既存資産(今ある機材・装飾・制御システムなど)
の3つを指します。
このステップを飛ばして進めてしまうと、「足りなかった」「間に合わなかった」などのロスが発生しやすく、結果的にコスパが悪くなります。
② コンセプト(軸)の設定──すべての判断基準をつくる
限られた予算の中で印象を変えるには、コンセプト=演出の軸を最初に定めることが不可欠です。
たとえば:
「カップルで静けさと光の対比を楽しむ森の小道」
「犬連れが撮影したくなるスポットを点在させる回遊演出」
「子どもがワクワクする魔法の森」
など、誰に・何を・どう感じてもらいたいかを具体化すると、すべての判断──演出内容・配線・予算のかけどころ──がブレずに統一感のある空間づくりを達成することができます。 コンセプトは選ばれる理由となります。
施設特性と①とを照らし合わせながら、現実的で効果的な軸を設定することが重要です。
③ 取捨選択と選択的投資──効果を最大化するための判断
リソースを意識したデザインフェーズで重要なのは「取捨選択」。
ここで特に重要なことは全て使うことを前提としない、ということです。
ボリューム感は提供すべき価値の1つではありますが、それよりも重要なことは世界観の統一です。
「青一色で海をテーマにしている場所に、もったいないからうさぎのイルミネーションを置く」
これに似た事象が多くの見られますが、この「もったいない」が体験価値を下げ、本来作っていたはずの特徴=選ばれる理由を薄めてしまう結果につながります。
軸に対して、必要か必要でないか、十分か、不足があるか。
これを基準として、リソースの分配と投資箇所の判断をしていくことが"改良"へと向かう鍵となります。
正しいアップデートは方向性を固めることから
今回は、限られた予算の使い道として、「新商品」の買い足しよりも「軸をつくり、それに対する不足分の買い足し」の方が効果的だということを解説しました。
正しいアップデートとは、より集客ができるイルミネーションへの改良。それはすなわち、選ばれる理由の明確化、です。
私たちは、施設の現状と予算に応じて、
・使える機材の活かし方
・動きや配置の工夫
・見せ場づくりのポイント
など、 費用対効果を最大化するご提案を行っています。
「現状のイルミネーションをアップデートしたい!」と思ったご担当者様、ぜひお気軽にご相談ください。



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