【TIPS】物量は多いはずなのに少なく見えるイルミネーション、その原因とは。
- ripplite
- 7月16日
- 読了時間: 4分
更新日:7月17日
「けっこうな量を使っているはずなのに、なんだかスカスカに見える」「去年より増やしたのに、なぜか迫力が出ない」
使っている光の“物量”自体は確かに多いのに、目に入る印象が弱い──これは決して珍しい現象ではありません。
実はこの“少なく見える”問題には、いくつかの共通した原因があります。それらを把握せずに物量を増やし続けても、コストばかりかかって期待した効果は得られません。
この記事では、少なく見える原因について考察していきます。

一部が経年劣化している可能性
イルミネーションはほとんどの場合LEDなので、寿命は10年!40000時間以上!と思われがちですが、例えば屋外で1日8時間およそ120日間(約1,000時間)の点灯に使用し、3年経過すると明らかな光量の減衰を感じるようになります。
光量が減衰すると、発光部の周りに広がる余波のような光の影響範囲が小さくなるため、面に対する光の占有面積が小さくなり、同じ物量を使っているのに少なく感じてしまう、という現象が起こります。
特に、1年以上使用した部材と新しく購入した部材を並べて、もしくは近くで使用する場合は物量が同じでも明らかな差が出てしまうので注意が必要です。
設置方法が密度感を損なっていることも
ストリングスライトと呼ばれる紐状のイルミネーションを使って床面を装飾する場合のよくある失敗例として薄く広く敷いている、ということがあります。
ストリングスライトの発光部と発光部の間隔は通常10cmです。
横にピンと伸ばした状態で数列作って敷設をする場合、列と列の間隔が10-20cm付近であれば発光部が縦横同じピッチで存在するため、装飾部分は完全に光の面として認識されます。


しかし、列と列の間が30cm以上を超えると、発光部がラインとして認識されてしまいます。


実際はシミュレーション画像のように規則正しく真っ直ぐに並べることができないため、うねったラインが貧相に見える原因となります。
以上から、10m×10mの装飾面があるとして、1本あたりLED100球、10mのストリングスライトを用いて敷設イルミネーションをする場合、しっかり面として認識されるには少なくとも35-50列のイルミネーションが必要、という計算になります。
もし、30本以下しかイルミネーションがない、という場合は列の間隔を広げるのではなく、装飾面を手前半分に限定するなどメリハリをつけることで過疎感を回避することができます。

吸収される色をチョイスしてしまっているかも
イルミネーションは、使用する色味によって“明るさ”や“存在感”の感じ方が大きく異なります。たとえば同じ明るさのLEDを使っていても、ホワイトやイエロー系は「よく光って見える」のに対し、ブルーやグリーン、特にディープブルーやパープル系のような濃い色味は、視覚的に“光が吸収される”ように感じられ、暗く見えることがあります。
さらに、背景の色や周囲の光環境によってもその“沈み込み”は顕著になります。たとえば、ダークグリーンのツリーに対してピンクの照明を設置した場合、光の存在感が背景に埋もれてしまうのです。逆に、ツリーがホワイトであればツリーに発光色が反射するので、グリーンのツリーの場合よりも本数が少なくていい場合があります。
照射対象や背景とのコントラストを意識して色をチョイスすることが重要です。

さいごに
イルミネーションの「見え方」は、単純な物量だけで決まりません。LEDの状態、密度、色味を見直すだけで印象が大きく変わります。
コストをかけずに効果を上げたいときこそ、「見せ方」の工夫が差を生みます。“量はあるのに、薄い気がする…”と感じたら、一度原点に立ち返ってみてください。
こんな場所にはどんな機材を使えばいいの?とお困りの際はお気軽にお問い合わせください。
コメント