経営面から見た「いいイルミネーション」についての考察
- ripplite
- 2025年12月17日
- 読了時間: 5分

はじめに:本記事でいう"イルミネーション"の定義
ここで扱うイルミネーションは、
エントランスフィー(入場料)が発生する、または
施設側がイルミネーションを明確な投資対象・経営資源として捉えており
来訪の「目的地」になることを目指している
このようなイルミネーションイベントを指します。
通りすがりの無料装飾や、景観演出そのものを否定する意図はありません。 あくまで経営判断が伴うイルミネーションの話として「良し悪し」を整理していくことを目的とします。
経営面から見た「いいイルミネーション」の定義
経営面から見た場合、いいイルミネーションであるかどうかは、投資に対して十分な回収ができているかに尽きます。
どれだけ美しく、話題になったとしても、投資額を回収できなければ、経営資源としては成立しません。 これをもっと掘り下げると
広告や割引に依存せず、体験価値によって集客が成立する“自走状態”を目指したもの
だと考えています。
ここでいう「自走状態」とは、
・多額の広告を投下しなくても
・発信力のある第三者が「これは紹介したい」と感じ
・その発信をきっかけに一般の来場者へと波及していく
という循環が生まれている状態です。
実際に来場した人の満足度が高いことで、
この流れが一過性で終わらず、継続的な集客につながっていきます。
以下に詳しく考察していきます。
レガシー型:広告、規模、数主導のイルミネーションの課題
すでに知名度、ブランドを確立している数少ない王者的なイルミネーションスポットは、
強い立地
マスメディア広告など大規模な露出
大規模展開の維持と再投資による更新
によって集客を成功させてきました。
ただし、そうではないイルミネーションスポットが同じやり方を真似した場合、
・毎年広告費が必要になる
・広告を止めた瞬間に集客が落ちる
という構造から抜け出せず、
投資だけが膨らみ、疲弊してしまうケースも少なくありません。
現代型:顧客起点の「自走型イルミネーション」
多くのイルミネーションにとって重要なのは、「王者」の土俵で無理に戦わないことです。
広告や規模ではなく、体験価値そのものが取り上げられる状態を目指す。
つまり、ハイシーズンを迎える前に、顧客から好意的な反応がありさらに、インフルエンサーが「これは紹介したい」と感じ、勝手に情報が動き始める。
この自走型の状態を目指すことが、経営面から見ても合理的であり、現代における「いいイルミネーション」だと考えています。
自走型を成立させる主な要素
もちろん自走型イルミネーションは偶然生まれるものではありません。
以下の要素を意図的に整理・設計することで成立します。
1. テーマ性・世界観の魅力
このイルミネーションが何を表現しているのか。
背景や文脈に納得感と魅力を感じられることで、体験は「好意的に語れるもの」になります。
2. おすすめの明瞭性
誰に向けた体験なのか
なぜ今行くべきなのか
が明確であること。
「なんとなく良さそう」ではなく、 行く理由を言語化できることが重要です。
3. 動画映え
インフルエンサーによる二次集客を想定する場合、TikTokやInstagramのストーリーなど、
動画で見たときにどれだけ魅力が伝わるかが重要になります。
イルミネーション自体に動きがあること、
ウォークスルーで撮影すると楽しいこと、
シーンが多様で切り取りをつなげやすいこと。
こうした「動画にしたときの映え感」を
あらかじめ意識して設計する必要があります。
4. 体験の多様性
イルミネーションの鑑賞だけではなく、
ここにはこんなに美味しいものがあったよ!(フードトラックや既存施設の限定商品など)
噴水ショーも必見!
遊べるアスレチックもあって、楽しめること間違いなし!
など、おすすめの明瞭性を肉付けするような要素があることでより発信しやすいコンテンツになります。
これらはインフルエンサーの発信を意識しているようで、実はお客様の来訪動機、満足度とも密接に関係しています。つまり満足度を戦略的に上げることこそ、自走するイルミネーションの鍵なのです。
「宣伝に強い × 満足度が高い」=経営的にいい
重要なのは、
宣伝だけ強いイルミネーション
体験だけ良いが知られていないイルミネーション
どちらも経営的には不十分だという点です。
広告宣伝による来訪確率 × 来場者が満足する確率
この掛け算を最大化していくことで、 はじめて経営的にいいイルミネーションになります。
【まとめ】
経営面から見た「いいイルミネーション」とは、投資に対して回収できている状態である。
従来型の立地・広告・大規模投資に依存するモデルは、一部の王者以外では成立しにくい。
現代では、第三者による自発的な発信を起点とした集客=自走型が現実的な選択肢となる。
自走型は、テーマ性・おすすめの明瞭性・動画映え・体験の多様性を意図的に設計することで成立する。
宣伝の強さ(インフルエンサーなどによる発信強度)と来場者価値の両立が、経営的にいいイルミネーションをつくる。



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