生成AIとイルミネーションデザイン
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AIが"いい感じ"を作ってくれる時代に、イルミネーションデザイナーの役割は?
1 生成AIによって、綺麗な画像を作るのはとても簡単になった
生成AIによって、イルミネーションのイメージビジュアルは以前よりもずっと簡単に作れるようになりました。
例えば生成AIに(元画像もAI生成で作った架空の駅前です)、
「この場所をいい感じのイルミネーションにして」
と入力すると私の場合以下のような画像が生成されました。


悪くないです。
夜景として大きく破綻していないし、細かい部分を除けば実現可能性もあると思います。
2 綺麗な完成イメージが欲しいなら”魔法の呪文”で足りうる。
何からどうしたらいいかわからないのであれば、とりあえず魔法の呪文のように「いい感じのイルミネーション」と入れてしまえば、これだけ簡単にイルミネーションシーンが生成できる。
それなら、「デザイナーいらなくない?」となるのはむしろその通りだと思っていて、今まで私が絵作りのフェーズでやっていたような
昼を夜にする作業
樹木や植栽にストリングス装飾の点を打つ
実際の機材を合成する
というような作業はかなりの面で優秀に代替してくれています。
構成面でも樹木、低植栽、通路の屋根、駅舎、といった当然装飾すべきだろうポイントにも不足なく光が入っていてバランスがいいと感じます。
このように、綺麗な完成イメージを得るという意味で言えばAIで足りる場面は今現在でもかなりあると思うし、これからはAI生成したイメージを元に、予算や施工方法と照らし合わせて、実際の運用に落としていくのが普通になっていくんだろうなぁと予想しています。
3 イルミネーションにおける生成AIの弱点は今のところ2つ
イメージビジュアルとしては十分優秀なAI生成画像。弱点があるとしたら以下の2点だと考えています。
一つ目:実現可能性の甘さ
・汎用のAI生成画像で使用されている機材は、実際のカタログから取ってきているわけではないので、何を使っているかがはっきりとわからない。
・特にサイズ感に関しては保証していないので、忠実に再現しようとすると特注品になる場合がある。
・取り付け方が現実では不可能な場合がある。
二つ目:無難すぎる素敵さ
・魔法の呪文のように「良い感じに!」と生成すると普通に素敵な画像ができる。
・でもその素敵さは”無難”に素敵であって、魅力的に見せたいなら不十分。
・悪くはないし好意的だが、「いいね!」になりにくい。(商業的な場合は費用対効果が低くなる)
二つ目に関しては、AI生成の弱点というより魔法の呪文的な使い方をした結果、曖昧なプロンプトが曖昧なビジュアル=無難に素敵な画像を生成しているということが問題なので、プロンプトを可能な限りシャープにすることで解決できます。
シャープにするというのは、例えば、「いい感じ」→「暖かくて楽しい気持ちになるような」→「クリスマスの夜のような」→「電球色をベースに赤で差し色を入れる/クリスマスツリーを設置/雪の結晶をモチーフに使う」というようなこと。

どうでしょう?
実現可能性はともかく、先ほどの無難に素敵なものよりは、かなりいいね!と感じませんか?
4 重要なのは、絵を作る前の設計
前述のとおり、生成AIは素敵な画像を作ることができるので、上手な絵を作れるデザイナーの価値は弱くなっていくと思います。
ただ、魔法の呪文「よくわかんないからいい感じにして!」よりは”遥かに適切で優れたプロンプト、つまりデザインを言語化、構造化できる”ということもデザイナーの技能。
生成AIがどんどん優秀になるこの時代、イルミネーションデザイナーには
・絵作りの前段階の設計をどれだけシャープに構造化できるか
・(現時点では)生成された画像を実務に翻訳する経験値、知識
が求められるのではないかと考えています。
メモ. 面白い発見
生成AIの画像が、リアルかと言われるとあまりに素敵に描きすぎている印象があるので、試しに「この画像を不細工にして」 としたところ、ものすごくリアルな画像が出力されて驚きました。

・左上の青白いスノーフレーク(おそらく去年の在庫をせっかくだからと使った)
・全体的な光量、モチーフ不足
・ツリーの簡素化 装飾ポイント数は維持したが、それぞれを実際の予算に合わせてシュリンクした、在庫であったので使えるものは使った、そんな感じのあるある画像として非常に優秀だなと感じました。
ただ、少なくともこれは「リアルにして」ではなく、「不細工にして」と命令文を書いた結果です。
生成AIで素敵なイメージを作り、それを実務に翻訳しようとしたとき、何も考えずに進めると、実際にはこうなってしまう可能性が結構ある。
この「失敗パターン」を認識した上で、どう実務に翻訳していくか。
こういう使い方もあるなぁ、と面白く感じる実験ができました。



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